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姫野病院のブログ

インカムが苦手な新人ナースへ。先輩たちも最初は聖徳太子でした

5月です。

新人ナースたちが入職してひと月が経ちました。白衣の袖もちょっと馴染んできて、顔つきも少しだけ「看護師っぽく」なってきた頃です。

そんな5月のある日、新人ナースからこんな声が届きました。

「インカムが苦手で……患者さんと話しているときに誰かが話しかけてくるので、聖徳太子の気分になります」

聖徳太子。一度に10人の話を聞いたという、あの聖徳太子。

わかる。わかりすぎる。でも安心してください。先輩たちも最初は同じでした。

今回は、姫野病院の「インカム問題」について先輩ナースたちに本音で語ってもらいました。

インカムをつけた新人看護師

聖徳太子になった気分……わかります

① そもそも姫野病院のインカムって何?

姫野病院では全病棟でインカム(院内無線機)を使っています。コンビニやテーマパークのスタッフがつけているあれです。病棟が広いので「〇〇さんどこにいますか?」「ナースコール対応お願いします」といったやりとりをリアルタイムで共有できる、とても便利なシステムです。

インカムが導入される前は、用がある人を探して病棟を大声で呼び歩くしかありませんでした。「〇〇さーん!」と廊下に響く声……患者さんにとっても落ち着かない環境でしたよね。インカムはそういう「病棟叫び問題」を一気に解決してくれた立役者でもあります。

インカムがあると何が変わる?
◎ 便利
広い病棟でもスタッフの居場所がすぐわかる。急変対応の集合が速い。廊下を大声で呼び歩かなくていい。

△ 慣れるまで
患者さんと話しながら別の声も聞こえる。長時間つけていると耳が痛くなる。本体の重さが気になる。

② 先輩たちの「インカム歴」本音トーク

最初の1週間は本当に何も聞き取れなかった。患者さんに「先生を呼んでください」って言われながら、インカムから「ナースコール3番〜」って流れてきて、頭がフリーズしました。でも1ヶ月したら、なぜか自然に「ながら聞き」できるようになってた。人間って慣れるんですよね。

3年目看護師

最初は耳が痛くて困りました。ずっとつけていると耳の穴が圧迫されるというか……。しばらくは勤務終わりに耳がじんじんしてた。今はもう全然気にならないけど、慣れるまでは「耳が痛い日」が続くかもしれません。

4年目看護師

本体がポケットに入れると地味に重いんですよね。最初は「これずっとつけるの……?」って思ってた。でも今はもう体の一部みたいな感覚。外すと逆に落ち着かないくらいです(笑)

5年目看護師

コツは「全部聞こうとしないこと」。自分の名前や担当患者さんの番号が聞こえたときだけ反応するようにすると楽になりました。最初は全部の声に反応しようとするから疲れるんだと思う。

5年目看護師

私は逆にインカムのおかげで助かったことの方が多い。急変のとき一番近くにいるスタッフにすぐ声かけできるし、一人で抱え込まなくていいって思えるから、むしろ安心感がある。

7年目看護師

③ 歌手のイヤモニみたい——インカムのおしゃれな使い方

ところで、インカムをつけている先輩ナースを遠目に見たことはありますか?

慣れた先輩たちはインカムを耳につけたまま颯爽と動き回っていて、なんだかコンサートステージの歌手がイヤモニをつけているみたいでかっこいいんです。

そしてよく見ると、患者さんのそばに座って話を聞くときや、大切な説明をするときに、先輩たちはそっとインカムを耳から外しているんです。

患者さんと向き合うときはインカムを外すようにしています。「今あなたの話だけを聞いています」っていう気持ちを伝えたくて。小さいことかもしれないけど、患者さんが安心してくれる気がするので。

6年目看護師

インカムをつける・外すの判断が自然にできるようになったとき、あなたも「チームの一員」として本当に馴染んでいる証拠です。

④ 新人ナースへ、先輩からのアドバイス

インカムと仲良くなる4つのコツ
① 全部聞かない
自分の名前・担当番号・「緊急」というワードだけアンテナを張る。あとは流す練習をしよう。

② 患者さんに一言
インカムに反応するときは「少し失礼します」と一言。患者さんもインカムの存在を知れば安心してくれる。

③ 大事な場面は外す
患者さんと向き合うときはそっと耳から外してOK。患者さんを優先する判断は、立派なプロの行動です。

④ 慣れるまで1ヶ月
耳の痛さも本体の重さも、1ヶ月後には気にならなくなります。1ヶ月後の自分を信じてください。

インカムでつながるチームの看護師たち

インカムはチームとつながっている証

⑤ インカムは「孤独じゃない」というサイン

一人で患者さんのそばにいても、インカムがあるということはチーム全員とつながっているということです。困ったときに声を出せばすぐ誰かが応えてくれる。それがインカムの本当の価値だと、先輩たちは口をそろえて言います。

聖徳太子にはなれなくていい。まずは「助けて」と言える一言から始めましょう。

5月の新人ナースへ

インカムが苦手でも大丈夫。
耳が痛くても、本体が重くても、聖徳太子状態でも。
全部「慣れていく途中」のことです。
患者さんのそばではそっと外して、チームが必要なときは声を出す。
そのバランスが自然にできるようになったとき、
あなたはもうイヤモニをつけた歌手みたいにかっこいいはずです。